私と彼の関係
 彼は身を乗り出してきた。


そして、私の髪の毛についているものをつかみ、私に見せた。


 どこかでごみがついたんだろう。


「ありがとう」


 彼にお礼を言ったとき、彼の顔が至近距離にあるのに気付き、思わず顔を背けていた。


 朝のキスのことを思い出したからだ。


「ものすごく警戒している?」



「当たり前です。キスされたんだから」


「そんな男を家にあげる君も十分不用心だと思うけど」


 私が思わず身構えると、宮野君は笑っていた。



「冗談だよ。別に無理にしたりはしないから。君がしてほしいって言わない限りはしないようにするから」


「絶対そんなこと言いませんから」
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