i want,
いつもの様に三人並んで歩く帰り道。三人が息をする度に、空気が白く染まる。
冬がもう来ているから。だから寒いわけじゃない気はする。
「…でも、さ」
綾が俯き加減に呟いた。
「垣枝君…何してるんやろ」
綾の呟きは、白い空気と一緒に夕方の空に響いた。
歩みを止めないまま、あたしは足元に視線を落とす。さともまた、ズボンのポッケに手を入れて空を仰いだ。
「あおがこんな時に…なんで学校に来んのやろ」
…2学期の後半、ヒカルはほとんど学校に来ていなかった。
あの手紙が届く様になってからは、一度も来ていない。
電話をかけても呼び出し音が鳴るばかりだった。
それを聞きたくなくて、あたしは電話をすることすらやめた。
小さな幸せを感じたあの雨の日の虹が、少しずつ色褪せていっているのを感じる。
でもあたしには、それを止めることができなかった。