i want,

沈黙が痛かった。

何か話して欲しいのに、何か話したいのに、でもその何かが怖くて。

口を開けばもう、終わりにしか繋がらない気がしたから。

「…何で、」

そんな中、先に口を開いたのはヒカルだった。


「何で、こうなったんかの」


視線は前に向けたまま、ただそう呟く。

胸が締め付けられた。

「変わらんつもりでおった。他の何に対しては変わっても、あおに対してだけは変わらん自信があった。…けど」

一呼吸置いて、頬が動いた。でも表情は変わらなかった。

多分、笑えなかったんだ。


「…変わったんかの、俺は」


あたしは唇を噛み締めて俯く。
ヒカルがこんなに気持ちを話すのは、いつぶりだろう。

この痛みは、ヒカルの痛みなのだろうか。

手を握りたいのに、もうそれができない。

「…ヒカル、」

手を握る変わりに、言わなきゃいけないこと。
曖昧な言葉じゃ駄目なのに、言葉が出ない。

痛くて、出ない。


「…言えよ、」


俯くあたしに、ヒカルは小さく呟いた。
その声があまりに哀しくて、目の前が揺れる。

…泣いちゃ駄目だ。

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