i want,
俺はずっと、ヒカルにとって母親は、単なる『母親』というカテゴリに分類される人間でしかないと考えていた。
例えば先生が『先生』であるかの様に。それ以上もそれ以下もないと。
でも今その一言を聞いて、それは思い違いだったことに気付かされる。
ヒカルにとっての母親は、切ろうとして切れる様なものではないのだ。
ヒカルから手離すことは、できないのだ。
「…矢槙は?」
でも、だったらヒカルは。
「矢槙のことは、いいの?」
本当は手離したくない人を、手離さなければいけなかったんじゃないのか。
本当は一番、側にいたい人を。
その視線だけを俺の方に向け、ヒカルは小さく笑って言った。
「言ったが。あおとは別れた。もう何も関係ないわ」
「でも、ヒカルは…」
「関係ない方がえぇんじゃ。俺とあおは、違う」
俺の言葉を遮って、ヒカルははっきりと告げた。
「あおは…バカみたいに素直で、真っ直ぐじゃ。俺とは違って、いい意味で普通じゃ。もし俺とずっと一緒におったら…あおが、汚れる。そんな気がしちょった」
例えば先生が『先生』であるかの様に。それ以上もそれ以下もないと。
でも今その一言を聞いて、それは思い違いだったことに気付かされる。
ヒカルにとっての母親は、切ろうとして切れる様なものではないのだ。
ヒカルから手離すことは、できないのだ。
「…矢槙は?」
でも、だったらヒカルは。
「矢槙のことは、いいの?」
本当は手離したくない人を、手離さなければいけなかったんじゃないのか。
本当は一番、側にいたい人を。
その視線だけを俺の方に向け、ヒカルは小さく笑って言った。
「言ったが。あおとは別れた。もう何も関係ないわ」
「でも、ヒカルは…」
「関係ない方がえぇんじゃ。俺とあおは、違う」
俺の言葉を遮って、ヒカルははっきりと告げた。
「あおは…バカみたいに素直で、真っ直ぐじゃ。俺とは違って、いい意味で普通じゃ。もし俺とずっと一緒におったら…あおが、汚れる。そんな気がしちょった」