i want,
「神野に会って、聞いたんよ。『あおは元気か』って。久しぶりじゃった。お前の…名前を口にしたのは。その時じゃったな」
そうしてヒカルは一息つき、ゆっくりと呟く様に言った。
「あおの事、何も忘れちょらんことに気付いたんは」
あたしはゆっくりと目を開けて、その言葉をただ脳裏で繰り返した。
繰り返す度、胸の奥から苦しい何かが込み上げてくる。
どうしよう。
あたし今、何故だか泣きそうだ。
「神野とお前の話する度、何個も何個も思い出すんよ。最初はただのクラスメイトやったのに…あの神楽の日、俺の中で何かが変わった事。あの日のあおを見て…すげぇ、嫌じゃった。他の奴らがお前の事見とるん、すげぇ嫌じゃった。俺以外に見られるなやっち思った。あの日からやな、」
あの、神楽の日。
今でも簡単に思い出せる、ヒカルの視線。
あの日の衝動は、果てしない欲求へと変わり、ずっと変わらず思い続けていること。
「あおを、俺のもんにしたいって思い出したんは」
…ヒカルが欲しいって、ずっと。
ずっと、変わらず、今でも。