i want,
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修学旅行最後の日は、1日目よりも気持ちが穏やかだった。
相変わらず女子とはあまり話さないし、垣枝もさしてあたしを気にしているわけでもないのだけれど、昨日程苦痛には思えない。
昨日の夜、あたしの中で何かひとつ乗り越えたものがあるからなのだろうか。
…「ペンギン!」
冷たい氷の上に向かって叫ぶさと。
彼らにとっての『ペンギン』は、あたし達にとっての『人間』に当たるものなので、そんな風に呼ばれて彼らが愛嬌を振り撒くはずもなく。
軽く一瞥した後、その独特な歩き方であたし達に背を向けた。
「あ~あ」
「さとが『ペンギン!』なんて呼ぶからじゃろー。あたしらぁが『人間!』っち呼ばれちょるようなもんじゃあ」
「じゃあ何て呼べばよかったんじゃ」
写真撮りたかったなぁ、インスタントカメラを掲げて、さとは大袈裟にため息をつく。
修学旅行最終日は、宮島の鳥居と水族館。
可愛らしいペンギンはみんなに人気が高く、あたし達はすぐに後ろに並んでる子と交代しなければいけなかった。
なおも残念そうにするさとに、「そんならペンギンのぬいぐるみでも買えば?」と提案だけしておいた。