snow flake〜罪な恋に落ちて〜
席に座って、言い訳のように
「椿の為じゃないよ?アナタの命の為に残ってあげる!」
そう言ってみたけど、赤らめた頬とか、手持ち無沙汰にお絞りをいじる私は、強がってるようにしか見えなかったと思う。
それでも彼はあえて触れず、
「―――ありがとう。挨拶が遅れたけど、俺は“恋”。椿のピンチヒッターってやつ笑」
なんて、笑ってたからありがたかった。
冷えたシャンパンが新たに注がれる。
左手にシャンパン。
右手に携帯を持ち、約束のメールを送る。
『ごめん、まだ飲んでるの。帰り遅くなるから、先に寝てていいよ?』
直ぐに返事がくる。
『分かった』
返事からはなんの感情も読み取れない。
確認して携帯を閉じる。
嘘はついてない。
ただ、伊織の代わりにホストがいるだけで。
迷いを消し去るように、電源を切った。
樹、ごめん。
今夜だけは、貴方を忘れてもいいかな?
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