snow flake〜罪な恋に落ちて〜


席に座って、言い訳のように

「椿の為じゃないよ?アナタの命の為に残ってあげる!」

そう言ってみたけど、赤らめた頬とか、手持ち無沙汰にお絞りをいじる私は、強がってるようにしか見えなかったと思う。


それでも彼はあえて触れず、

「―――ありがとう。挨拶が遅れたけど、俺は“恋”。椿のピンチヒッターってやつ笑」

なんて、笑ってたからありがたかった。




冷えたシャンパンが新たに注がれる。


左手にシャンパン。

右手に携帯を持ち、約束のメールを送る。


『ごめん、まだ飲んでるの。帰り遅くなるから、先に寝てていいよ?』

直ぐに返事がくる。

『分かった』

返事からはなんの感情も読み取れない。


確認して携帯を閉じる。


嘘はついてない。

ただ、伊織の代わりにホストがいるだけで。


迷いを消し去るように、電源を切った。


樹、ごめん。


今夜だけは、貴方を忘れてもいいかな?



.
< 84 / 152 >

この作品をシェア

pagetop