【完】最期の嘘
女の子っぽい、子猫のようなギタリストのQはふにゃふにゃニコニコとしている。



異様に長い脚を組み換えるドラマーのKは喋る二人の保護者のようだ。



少しの間のトークから、新曲であるという温かい歌詞の曲。



ベーシストでボーカルという変わった形態のJ。



低く、深い歌声が優しく響き、テレビ越しに汐の心を揺さぶる。



音楽に詳しくない汐。



だが、Qの繊細なギターやKの楽しそうな顔で的確に叩かれるドラムはそこら辺のバンドよりレベルの高い演奏だと分かる。



シュガビって、やっぱりいいな。



テレビを眺め、優しい歌詞に包まれて幸せに思う汐だった。
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