【完】最期の嘘
ズンダダダダダン!



楽しそうに叩くKのビートが軽快に響く。



ダダダダダ…



…ん?テレビからのビートにしては、やけに音が近い。


汐は耳を澄まし、音だけを聞き取るようにする。



ダダダダ…ガチャ!



「…!?キャアアア!」



半分何が起きたか分からないような状態の汐は、瞳を開いて目の前を見つめる。



「シッ!悪いけど、ちょっとの間だけここにいさせて。」



そこには、レンズがモダンブラウンのサングラスに、黒いニットを被った男。



変質者!?



汐は恐怖のあまり、声をあげることも出来ず硬直していた。
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