ミズキカロリー
今日の松植高校三年六組はいきいきとしていた。
なるほど「Rockみ」といわれるまであるくらいに。
「おー!やっときたか、ノロマミズキ」
「ばーか、だれがはやく来るって宣言した」
また・・・ゆきみのちょっかいが僕におそいかかる。
そんな話の繰り返しばかりでキリがつかないせいかすごくイライラしてきた。
ガラっ――――
やべっ、担任の森岡だ!
僕はあせって自分の席にすべりこんだ。
道具もセットしないまま。
あー、筆箱もなしでどうやって今日一日・・・
「おいっ、抜田!気をぬくな、抜田だけに抜き打ちテストやるかっ、アハハハハ」
一人でつまらないダジャレをいいながら笑っているにも関わらずクラス中はみんないっせいに
「えー」
の声。
「みんな勉強してこなかったのか」とフザけたことをいう。
 僕はむかつくひまもなく、ひとりこっそりと、バッグロッカーに向かう。
そして、自分のバッグに手をかけるとすぐさま力いっぱい、でも音はしないようにひきよせた。
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