365回の軌跡
「おう。久しぶりだな」
「久しぶり…。」
週末、駅にスーツ姿の父を迎えた。法事の席で少し酒も入ったのだろう、少し赤ら顔だった。
「沙紀、東京はすごい人だな!」
父は周りをキョロキョロしながら大きな声で言う。少し父も緊張気味なのが分かった。
「まぁね。それよりお父さん、ご飯は?」
私は父を見ずに聞いた。
「うん、少し食ったがまだ足りないな。なんか食うか?」
私は一瞬考え、
「じゃ良い所あるから行こう」
と言った。
父は苦手だし嫌いだが、父とお酒を飲むのが初めてだったので飲みたかった。父とちゃんと話してみたかった。
私は麻耶や遥と良く来る、居酒屋に入った。
「ここは…良く来るのか?」
父は驚いた顔で店内を見渡す。
「あ、いつもどうも!」
見慣れた店員が私に挨拶する。
「こんばんは!今日は二人で。これ、私の父です」
私は店員と奥にいたマスターに父を紹介した。
「お父様ですか!こりゃどうも!」
マスター達が頭を下げる。父は小さく会釈すると顔が厳しくなっているのを私はそっと確認した。
「久しぶり…。」
週末、駅にスーツ姿の父を迎えた。法事の席で少し酒も入ったのだろう、少し赤ら顔だった。
「沙紀、東京はすごい人だな!」
父は周りをキョロキョロしながら大きな声で言う。少し父も緊張気味なのが分かった。
「まぁね。それよりお父さん、ご飯は?」
私は父を見ずに聞いた。
「うん、少し食ったがまだ足りないな。なんか食うか?」
私は一瞬考え、
「じゃ良い所あるから行こう」
と言った。
父は苦手だし嫌いだが、父とお酒を飲むのが初めてだったので飲みたかった。父とちゃんと話してみたかった。
私は麻耶や遥と良く来る、居酒屋に入った。
「ここは…良く来るのか?」
父は驚いた顔で店内を見渡す。
「あ、いつもどうも!」
見慣れた店員が私に挨拶する。
「こんばんは!今日は二人で。これ、私の父です」
私は店員と奥にいたマスターに父を紹介した。
「お父様ですか!こりゃどうも!」
マスター達が頭を下げる。父は小さく会釈すると顔が厳しくなっているのを私はそっと確認した。