ロ包 ロ孝
 忍術、北田……そのまさかだったか!

北田には舘野さんの家系を調査して貰った。その後、彼女になんらかの接触を取っていたとしても全く不思議ではない。

「ふう。俺は恐らくその方を知っています。高齢の女性ですよね」

 目を丸くして三浦は驚いたが「さすが課長です。なんでもお見通しですね」と感心して頷いている。俺はかぶりを振って否定しながら付け加えた。

「いやいや、以前海袋商店街で有った連続通り魔事件のオペレーションで、拠点にしていた事務所の向かいが舘野さんのお店である『銀杏』だったんです。
 賊確保の際には伊賀忍法でご協力頂いて、それで知ってるんですよ」

「なるほどそうだったんですか……ではお師匠、いや舘野さんは課長の事をご存じなんですね?」

 当時舘野さんとは新興宗教の宗徒であり、自警団活動をボランティアで行なっている『坂口』として接していた。俺自身を知っていると迄は言えない。

「あの時はフェイスストレッチャーを使った上に、偽名で関わっていたんです。今の俺をどう説明しましょうかね」

「フェイス……なんですか?」

 まだ実戦の経験が無い三浦は知らなくて当然だった。

「フェイスストレッチャーは、顔に皮膚注射したり圧力を掛けたりして変装する器械です。
 素顔で商店街の人達と或る程度の期間接する必要が有ったので、事前に変装する措置が取られました」

「さすがに国家レベルの仕事はスケールが違いますね、手が込んでいる!」

 そんな風に言われても、俺達は小悪党を7人捕まえただけの事。それ程の実感は無かった。

それより、この一件は放置出来ないゆゆしき事態だ。祖父と相談いや、祖父に言って聞かせなければなるまい!


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