ロ包 ロ孝
「おいおい! 何も済まない事なんか有りゃしないよ。それに……三浦さんに君を誘えって言ったのは俺だぜ?」

「ええっ? そうだったんですか坂本さん。
 ……でも三浦さん……私達がもっと上手くオペレーションをこなせていたら、死なせる事は無かったんじゃないかと思うんです……」

 遠藤はそう言ったっきり、意気消沈してうつむいてしまった。

「三浦さんはな。あそこに居た全てのエージェントに代わって亡くなったんだ。彼は19人の命を救ったヒーローだよ。
 遠藤君が責任を感じる事は無い。感謝して、三浦さんの生きざまを後世に伝えていけばいいんだよ」

 とは言ったものの、皆は一様に沈鬱な面持ちで押し黙っている。俺は渡辺に目配せした。

「そ、そうそう! 遠藤は気にし過ぎなんだよ。自分なんか、栗原さんにいくら怒られたって全然平気だぜ?」

 俺の意図を察した渡辺がすかさずその場を取り繕う。

「達っつぁんは気にしなさ過ぎなんだよ! 少しは反省してくれっ!」

「墓穴掘ったぁ……」

 顔を真っ赤にして金髪頭を掻く渡辺が滑稽で、俺達は少し笑った。

「湿っぽい話はこれでおしまい。さぁ、今日は俺の奢りだ。遠慮がちに喰ってくれよな」

 ここに集まったみんなは、現在も海袋で自警活動を行っている『海袋エンジェルス』から音力に採用された面々である。OB会と称してたまにこうやって集まるのが慣習となっていた。

しかし皆がエージェントとして一人前になってしまうとスケジュールが合わなくなり、今回は実に1年振りとなる催しだ。


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