夏の終わりに
「そう。
あれは終わったの。
それは私も認めるわ。

提案というのは別のことよ。
新しく始めない?
秋からの関係というのを」


男が黙った。

「ひとつ訊いてもいいかい」

「ええ」

「もしも断ったら、きみはどう出る?」

「家庭内のいざこざが起こるかもしれないわ」

「それじゃ、まるで脅迫だ」

「本意じゃないのよ。
でもあなた次第よ」


再び男は黙りこんだ。
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