KILLER DOLL~君が教えてくれたこと~




夕焼けが、救護室の中を照らす





「鋼柳と同じ、殺人人形制作だよ」





所長はそう言って、口を閉じた





殺人人形制作なんてあるんだ…と思いながら、外から目を離し昇と所長を見る





二人とも、暗い顔をしていた





「…また繰り返すのか、貴方達は」





俺には昇の言った意味が分からなかったが、所長には伝わったみたいだった





「…俺だって、もうやめたいさ





でも、逆らえない





…蜜屡は、できるだけ涼の子、というのを隠して、人と関わらないようにするつもりらしい





……多分、鋼柳の様子が変わってきていることに気づいていると思う」





昇は怒っているのか、拳を握り締めていた





「…鋼柳も、俺と同じことになるんですね」





そこで、救護室の扉がそっと開いた









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