愛は要らない


動揺を悟られまいと、綾野はなるべく落ち着いた声で答える


♪♪♪

♪♪♪


遥の携帯が、スーツのポケットで鳴っている


「出ないんですか?」

「ん?そうだね、出ないといけないね」


そう言いながら、遥は一向に動こうとしない


「・・・・・・・・・・・・?」


代わりに、綾野が動こうとする


「!!!」


腕を掴まれ、引き寄せられて、綾野は更に強張る


「は、遥・・・?」


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