秘密の生徒会探偵団☆
「陵。」
廊下で電話を切った俺に話しかけてきたのは姉貴だった。
「あんた、危ないことしてないよね?」
「は?別にしてねえよ。」
珍しく真剣な表情で俺の顔をみる。
「まさくんが昔、事件に踏み込み過ぎてケガしたのは知ってるでしょ?」
その言葉に俺は黙って頷いた。
兄貴は犯人を突き止めた途端、ただ1人その現場に向かった。
いくら危険性が低いと言えども、捕まることを恐れた犯人がおこす行動は予測できない。
廃工場に追い込まれた犯人。
その時にたまたま近くにあったガラスの破片。
犯人はそれを振り回し、運悪く兄貴の首筋をかすった。
急所は外れたものの、ケガはケガ。
血の出血は激しく、犯人の気を失わせたものの、その場で倒れ、丸1日目を閉じたままだった。
その時に縫った傷は消えず、今でも微かにそれは残る。