王国ファンタジア【流浪の民】
 魔法の引き出し方など、お前には無意味だ。自然に心に伝わってくるはず。

 ドルメックは今まで憎しみに囚われ、己の可能性も見いだせなかった。

「これなら、戦える」

 ドルメックの赤い右目が輝いた。そしてベリルはリエルのもとへ。

「リエル!」
「!」

 リエルは目の前の白いドラゴンに驚く。ベリルはドラゴンから飛び降り、彼に駆け寄った。

「弾を出せ」
「何をする気だ」

 ベリルは大きめの革袋に手をやると、

「鉛は魔法を乗せにくいが……無いよりは効果はある」

「!?」

 革袋が淡い光を放った。

「!」

 その時、荷車が勢いよくリエルの前に止まる。
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