愛の楔
「なんじゃと?」
目を見開いた山じぃは、口を閉じて小さく唸った。
そして、美空に向き直ると、目元を和ませて美空に話しかける。
「自分の名前が分かるかの?」
「………桐生 美空」
「年は?」
「………12」
「!!」
美空の言った年齢に俺達は言葉を失う。
美空の年は17だ。一体、どうなっているんだ?
絶句している俺達を不思議そうに美空は、見上げる。
ふいに、山じぃが立ち上がった。
「山じぃ?」
「………儂の専門外じゃ。専門の先生を連れてこよう……」
目を伏せながら山じぃが出ていく。一緒に着いてきた看護師はどうしたらよいか分からず山じぃを追いかけていった。
再び、三人になる。
「………あの、」