薔薇とアリスと2人の王子
さっそくアリスはエルザに聞いたよ。
「人魚に戻る方法ってないのかしら?」
「……1つだけある。それを魔女から教えてもらえるのは、人間になった人魚だけなんだ。私は尾びれを消され、両足を貰った時にその方法を魔女から聞いた」
エルザは貝殻を拾うと、それを見つめる。海の中を思い出しているのだろうか、哀しげな横顔だった。
「その方法って?」
カールが聞いた。すかさずエルザの怒声だ。
「なんでお前に教えなくちゃいけないんだ!」
「色ボケ男さんじゃなくて私に教えて、エルザ」
苦笑したカールの肩をイヴァンが叩く。(慰めとかじゃなくて、からかいだけどさ)
エルザは兄弟は視界に入っていないとばかりにアリスの方を向いて答えた。
「人間になった人魚が海に戻る方法。それは――死ぬことなんだ」
「死ぬこと……?」
ああ、とエルザは落ち着いて頷く。
「人間の姿のまま海中で死ねばいい。海の泡になったところで魔女に人魚に戻してもらうんだ」
言いながら彼女は砂浜に打ち寄せる波の花を指差していた。
「人魚に戻る方法ってないのかしら?」
「……1つだけある。それを魔女から教えてもらえるのは、人間になった人魚だけなんだ。私は尾びれを消され、両足を貰った時にその方法を魔女から聞いた」
エルザは貝殻を拾うと、それを見つめる。海の中を思い出しているのだろうか、哀しげな横顔だった。
「その方法って?」
カールが聞いた。すかさずエルザの怒声だ。
「なんでお前に教えなくちゃいけないんだ!」
「色ボケ男さんじゃなくて私に教えて、エルザ」
苦笑したカールの肩をイヴァンが叩く。(慰めとかじゃなくて、からかいだけどさ)
エルザは兄弟は視界に入っていないとばかりにアリスの方を向いて答えた。
「人間になった人魚が海に戻る方法。それは――死ぬことなんだ」
「死ぬこと……?」
ああ、とエルザは落ち着いて頷く。
「人間の姿のまま海中で死ねばいい。海の泡になったところで魔女に人魚に戻してもらうんだ」
言いながら彼女は砂浜に打ち寄せる波の花を指差していた。