薔薇とアリスと2人の王子


「私、ラプンツェルっていうんです……。20歳です。あ、ラプンツェルって“ノヂシャ”の事です…。野菜なんですよぉ」

「野菜の名前なの?」

「はい。あ、あの、両親がこの先にある魔女の家のノヂシャを盗もうとして。……それで、その罰として、その時に赤ん坊だった私を魔女が引き取ったんです……」


 ラプンツェルが暮らしているという部屋は、入ってみると改めて大変な有り様だと分かったよ。

 まだ昼間なのに薄暗い。夜なんてランプだけで過ごしているんだろうね。

「また魔女か。今度はゾフィーじゃないと思うけど」

 そう言ったカールのほうを見てラプンツェルが質問した。

「あなた達は?」

すかさずアリスだ。

「私はアリスよ。13歳。これがイヴァンでこれがカール。覚えなくても支障はないわ」

「……あ~。私、イヴァンって王子様聞いたことあります……」

 ラプンツェルは相変わらず、長い髪を前に垂らしたまま言った。
 それがアリス達は未だに怖かったよ。
< 187 / 239 >

この作品をシェア

pagetop