薔薇とアリスと2人の王子
「何か用件がありましたら、ベルで呼んで下さい」

と、案内役の青年。

 こんな豪華宿屋が似合わないような、平凡そうな顔をしている。

「ありがとう。あの、この街は魔女が栄えていたみたいだけど……“ローライド”って魔女知らない?」

 青年は舌足らずな口調で答えてきたよ。

「さあ……。魔女はほとんど処刑されましたから。森に塔を持つ魔女なら聞いたことありますけど」

「ああ、その塔ならさっき行って来たよ」

――その時だよ。
 カールの言葉に青年はすさまじい反応を見せた。
 もの凄い勢いで、カールに迫ってきたんだ!


「あの塔に行ったのですか!? じゃあ、ラプンツェルに会ったんですね!」

「……あ、うん。会ったけど……」

「詳しく話して下さい!」

 こうして、わけが分からないまま、青年を部屋に入れることになってしまったんだ。
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