薔薇とアリスと2人の王子
「噂の彼氏だぞ。相変わらず呑気な声だな」

 イヴァンがそう言ったので、ラプンツェルは身を潜めながら塔の下を覗いた。

「ク、クリスト……?」

「ラプンツェルッ!? やっぱりいたんだね!」

 ラプンツェルは目眩を起こすほどの動悸を覚えたよ。
 なんてったって、彼と会話するのはフラレた時以来なんだもの。

 口を開閉するだけで、なにも発しなかった。

「ジャストタイミングね! ここまで登って来てもらいましょうよ」

 アリスの提案に、ラプンツェルはあからさまに困惑した。

「今さら恥ずかしがってるの? 自信持っていいのよ。好きな人の為に変われたでしょ? ――あなたもう根暗なんかじゃないんだから」

 カールが続いた。

「クリストだって、美しくなった君を見て絶対好きになるさ」

「あのっ、そうじゃなくて――いえ、ありがとうございます……。でも――」

 ラプンツェルが言葉をまごつかせた。

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