薔薇とアリスと2人の王子
 ようやくラプンツェルが、意を決したように強めの口調で声を出してね。

「クリスト、私……! まだあなたのこと諦めてないわ。これからは……、この暗い性格を直していくつもりなの――」

「本当?」

 クリストは嬉しそうに口角をあげたよ。
 アリス達もはらはらと2人を見守る。


「それでもし良かったら――“この子”の父親になってほしいの」

「えっ?」

 クリストが何か言う暇も与えず、ラプンツェルは腹部を両手でさすった。


「魔女のアンネお婆さんから授かった――私の子供がお腹にいるの……!」


 誰もが驚愕のあまり、声ひとつ出せないでいたよ。

 ラプンツェルの腹部は膨らんでいるわけでもない――しかし彼女は、優しく腹を撫でる。

 冷静にイヴァンが声を絞り出した。

「魔女から授かっただと?」

「言っていなくてごめんなさい――クリストの本心を確かめたくて。」

「詳しく教えて、ラプンツェル」

 アリスもイヴァンに続いた。
 部屋には妙な空気が流れていたよ。
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