薔薇とアリスと2人の王子
「この城がなんと呼ばれているか知っているかね?」
アリスは両手をがんじがらめに縛られて、地下室に転がされていた。ドナウアー氏は明かりを点けずにいて、地下室は真っ暗だったよ。
「知らないわよっ! それより縄を外してよ!」
強情に反抗するアリスに、氏は歪んだ表情を見せたよ。
「ふふ、我が城はな、“人殺し城”と呼ばれている」
「人殺し城……!?」
アリスはあんぐりと口を開けた。そういえば市場の商人から聞いた気がしたよ。
「あんた、私を殺すの?」
氏は声をあげて笑った。地を這うような笑い声に、アリスは耳を塞ぎたかった。
ふいに氏は地下室のランプを点けた。とたんに浮かび上がる光景に、アリスは喉の奥で悲鳴をあげた。
「なにこれ……!」
狭い地下室の壁には、一列に女の死体が吊されていたんだ! アリスとドナウアー氏を囲うようにね。世にも恐ろしい光景だった。
「あんたが殺したのね!」
「歴代の私の妻達だ。君も特別に仲間に入れてあげよう」
ドナウアー氏は新しい妻と結婚するたびに殺していたんだ。
アリスは両手をがんじがらめに縛られて、地下室に転がされていた。ドナウアー氏は明かりを点けずにいて、地下室は真っ暗だったよ。
「知らないわよっ! それより縄を外してよ!」
強情に反抗するアリスに、氏は歪んだ表情を見せたよ。
「ふふ、我が城はな、“人殺し城”と呼ばれている」
「人殺し城……!?」
アリスはあんぐりと口を開けた。そういえば市場の商人から聞いた気がしたよ。
「あんた、私を殺すの?」
氏は声をあげて笑った。地を這うような笑い声に、アリスは耳を塞ぎたかった。
ふいに氏は地下室のランプを点けた。とたんに浮かび上がる光景に、アリスは喉の奥で悲鳴をあげた。
「なにこれ……!」
狭い地下室の壁には、一列に女の死体が吊されていたんだ! アリスとドナウアー氏を囲うようにね。世にも恐ろしい光景だった。
「あんたが殺したのね!」
「歴代の私の妻達だ。君も特別に仲間に入れてあげよう」
ドナウアー氏は新しい妻と結婚するたびに殺していたんだ。