クロスロード
「……翠君、私のこと好き?」
「……そう、だけど」
「じゃあ、『好き』って言ってほしい」
さすがに毎日言われたいわけじゃないけど、たまには言ってほしい。
私の真剣な表情に翠君は一瞬目を逸らした。
が、すぐ視線を戻して閉じていた唇を開く。
「……前に言ったと思うけど」
「前は前、今は今だよ!」
「わけが分からない」
「だって言ってほし――、」
口の中で溶けた、声にならなかった言葉。
ぐぐっと唇を押しつけられて身体がベッドに沈む。
ぐにゃりと波打つシーツ。衣類の擦れる音。
小さく開いた口から舌を差し込まれ、どんどん呼吸が荒くなっていった。
「好きだ、柚」
「っ」
乱れた呼吸を直すため、肩で大きく息をしていたその時。
耳元で囁かれたその言葉が、ぼろっと瞳から涙を零した。