クロスロード

「っね……翠君、こっち向いて」

「なに、――…っ、」



顔を上げて強引に口付け。

油断している唇を無理矢理こじ開け、ぐぐっと舌を口内に押し込む。



「……ん、ぅ」



口端から漏れる私じゃないような甘い声。

慣れない行為に息が続かなくなって、ゆっくりと唇を解放させた。

やっぱりだめ。うまくできない、な。



「ご、ごめんね……息苦しかった?」

「……っは、あ、……下手」



……やっぱり。


はっきり言われてしまうと返す言葉がない。

練習しとくね、なんて言ってもどうやって?ってことになっちゃうし……

こういうのって経験を重ねてくしかないのかな。……今度篠原さんに聞いてみよう。


そんなことを頭の隅で考えていると、フイにパチンと何かが外れる音が響く。

え、と音がした方を見ると制服のリボンが外されていた。

締め付けがなくなって解放された首元。

無防備に開かれたそこに、翠君が顔を沈めた。



「……っあ、ひゃ…っ、」

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