クロスロード

チクリと痛む首筋。

痛い、けれど甘い痺れが全身をもの凄い勢いで駆けていく。

身体に力が入らない。指一本、動かせない。

初めて経験することに戸惑ったけど、フと蘇るこないだの会話。



『ほら見てお友達ちゃん!こっちだってヤることヤってんのにねー?』



……そう、だ。

香織さんがからかいながら見せてくれた篠原さんの首筋。


あの時私、羨ましいって思った。

赤い痕、すなわちキスマークつけられるってことは、自分のだっていう証拠みたいなモノ。

そっか……。これって、こんな感じなんだね。



「……痛い?」



唇を離された後に聞こえた声。

ううん、という意味を込めて首を横に振る。

そっと頬を撫でる翠君に私はふっと口元を緩めた。



「学校で見られたら、どうなっちゃうかな」

「あー……髪で隠して」

「無理だよ。そんなに長くないもん」



肩につかないくらいの長さじゃ首筋は隠せない。

翠君、頭良いのにそういうことは気づかなかったのかな。
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