クロスロード

「まもってくれて……ありがとう」



……やっと言えた。

10年越しのごめんね、とありがとう、が。


私の言葉を境に抱き寄せられた腕が緩む。

淡い月明かりがカーテンの隙間から差し込み、薄っすらと翠君の表情を映し出す。

コツン、と額がぶつかった。



「……傷、痛い?」

「全然」

「そっか、……え、と」



さっきまで周りが見えていなくて、この状況を把握できていなかったけど

よく考えれば今、ホテルにいて同じ部屋にいて同じベッドで寝ていて……

プラス、蘇る数時間前の出来事。



「っ――、」



かああっと顔の熱が急上昇。

自分から行動しといて今更?と自問自答したくなるけど、恥ずかしいものは恥ずかしい。

二人きりとはいえなんてことを…!!



「あ、の……眠くないの…?」

「別に」

「じゃ、じゃあ寝る?まだ朝まで時間あるから、」

「勝手に寝れば」



……。
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