クロスロード
「んっ、う」
さっきとは違う、強引さを含んだ口付けに呼吸がうまくできなくなる。
こういう時どうしたらいいのかな。篠原さんのお友達さんに教えてもらえばよかったのかも……
息を吸うため少し開いた瞬間、それを待っていたかのように舌を差し込まれた。
「っ、」
どんどん深くなっていくキスに追い付けない。
身体を支える力や、普通に呼吸をする隙さえない。
……慣れない感覚が欲情を刺激して、
より一層、その感情に火を灯す。
「……は、あっ、も、……っだ、」
がくんっ
本棚に寄りかかっていたものの、足から力が抜けて落ちていく身体。
ぺたんと床に座り込んだ時に感じた冷たさが、燃え上がっていた脳内を冷静に戻していく。