クロスロード
……誰もいない部屋とはいえ、ここ学校だったんだよね……
しかも生徒会室にはまだ神崎君とかが……
さっきまであんなこと言ってたのに、我に返るとどうしようもないくらい恥ずかしい。
無意識に頬に手を当てていると指先が唇に当たった。
「……あ」
濡れてるそれが、更に私を追いつめる。
は、恥ずかしい……もう消えちゃいたい……
「いつまで座ってるわけ?」
はっとなり上を見上げれば呆れたような翠君の顔。
……苦笑いを返すことしかできない。
「え、あ、あはは……」
乾いた声を上げ床に手をつき立ち上がる。
くらっと揺れる頭を押さえつつ、スカートについた埃を払っていると
「ていうか、何か用事?」
……あっさり現実問題へ戻されてしまった。