クロスロード

……誰もいない部屋とはいえ、ここ学校だったんだよね……

しかも生徒会室にはまだ神崎君とかが……



さっきまであんなこと言ってたのに、我に返るとどうしようもないくらい恥ずかしい。

無意識に頬に手を当てていると指先が唇に当たった。



「……あ」



濡れてるそれが、更に私を追いつめる。

は、恥ずかしい……もう消えちゃいたい……



「いつまで座ってるわけ?」



はっとなり上を見上げれば呆れたような翠君の顔。

……苦笑いを返すことしかできない。


「え、あ、あはは……」


乾いた声を上げ床に手をつき立ち上がる。

くらっと揺れる頭を押さえつつ、スカートについた埃を払っていると




「ていうか、何か用事?」




……あっさり現実問題へ戻されてしまった。


< 27 / 251 >

この作品をシェア

pagetop