クロスロード
え、あの……さっきまでの事は何だったんでしょうか?
なんて質問したいくらい。
うん、でも、翠君が甘い台詞を言うとか考えられないし……
これが私達の『普通』なのかもしれない。
「その、一緒に、帰りたいなあと思って……」
承諾してくれるかな。それとも却下?
五分五分の気持ちを抱きながらここに来た用事を口にする。
肝心の返事は――、
「あっそ」
ごく、単調。
イエスかノーなのかすら分からない。
どうしよう……本日何度目か分からない溜め息を心の中で吐くと、翠君は私の傍を離れ入口に向かう。
呆然と立っている私の方を振り向き、「鍵閉めるから出て」と注意されてしまった。
会話のテンポが掴めずに戸惑ったけど、とりあえず言葉の通り資料室を出る。
生徒会室にはまだ神崎君と舞姫ちゃんが残っていて言い合いをしていた。