アリスとウサギ

「あいつはあたしに少し気があるだけ。他に女もたくさんいるし、ていうかファミレスに連れてくるし。複数の女のうちの一人にしたいだけなのよ」

 ため息混じりに説明すると、早苗の顔はより一層険しくなった。

「そうかもしれないけど、もし本気だったら?」

「え?」

「あんた、必死でウサギを避けようとしてるじゃない。もし本気だったら、結構ヘコむでしょ」

 ウサギが本気だと思えないアリスは、早苗の言っていることに現実味を見出せない。

 ヘコんでいるような素振りなんてなかったし。

「初めは本気じゃなかったとしても、いつの間にか気持ちが動いたかもしれないよ」

「まさか……」

「アリスと同じで、素直になれないタイプかもしれないでしょ。あんたよりはウサギの方がよっぽど素直だとは思うけどね」

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