アリスとウサギ

 合コンの日に久しぶりにネオン通りを歩いたが、おそらくもうしばらくは立ち入ることもないだろう。

 自分には居酒屋通りのほうがよっぽど肌に合っている。

 ウサギと同じ空気なんて、合わない。

 アリスは目的の居酒屋へ向かいながら、しみじみとそう感じた。

「どうして話もせずに逃げちゃったのよ!」

 居酒屋では早苗に説教をされた。

「だって、プロポーズしてたし……」

「普通ね、本気のプロポーズは病院なんかでしないの」

「本気だって言ってたもん」

「バカね。本気っていうのが冗談なのよ」

 酒の力もあってヒートアップしていく早苗。

 その甲斐あってか、アリスは黙って帰ったことをどんどん深く反省していった。

 二人で食べようと思っていたプリン。

 ドアの前にプリンなんて置いてあったら、きっと気持ち悪がる。

 捨てられてしまったかもしれない。

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