アリスとウサギ
反省するとどんどんセンチメンタルになっていく。
ドリンクはすでに4杯目だ。
「相手にならないって言われたんだよ?」
「アリスが逃げるからでしょ」
「だって、早く忘れたかったんだもん。ウサギを本気にさせる自信なんてないんだもん」
「確かに手強いとは思うけど」
酔っているのは自分でもわかっていた。
飲まなきゃやってられないというサラリーマンの気持ちがわかってきた気がする。
「あの日合コンに行かなかったらさぁ、年上だったことも店を経営してることも、ずっと何も知らないまんまだったの」
「ああ、あたしも驚いたわ」
アリスは壁に寄りかかりながら、ただずっと毒を吐き続けた。
吐いた毒は早苗が全て適当に処理をしてくれる。
そうして少し楽になった頃、早苗は唐突にこんな提案をしてきた。
「この間行ったウサギの店、行ってみない?」
アリスはスーッと酔いが冷めていくのを感じた。