アリスとウサギ

 ベッドの台には店の資料のようなものが広げられていた。

 ウサギは手早くそれを片づけ、箱から取り出したプリンを乗せる。

「食べようか」

「うん」

 ウサギの手からプリンを受け取ると、ふと手が触れた。

 中学生じゃあるまいし……。

 アリスは敏感に反応した自身にカツを入れる。

 袋に包まれたスプーンはスムーズに受け取って、やっとプリンを開封。

「アリス」

「なに?」

「あーん」

 口を池の鯉のようにぽっかり開けているウサギ。

「はぁ?」

「いつか病人になったらやって欲しかったんだよねー」

「バカじゃないの?」

 と言いながらも右手はプリンをすくっていた。

 仕方ない、という顔をして、スプーンをウサギの口元に差し出す。

 かぷっとプリンに食らいついたウサギは、にっこり笑顔になった。

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