アリスとウサギ
言い合っている間に、だんだんお互いの手に力が籠もっていた。
それに気付いたウサギがふと力を弱める。
そして反対の手でバリバリ頭を掻いた。
「ああー、もう。何でこんなめんどくせー女……」
言いかけて、やめた。
何を言おうとしたのだろうか。
「めんどくさくて悪かったなっ。あたしだってね、あんたみたいな厄介な男……」
どうして好きになってしまったんだろう。
好きなんて口に出したくなくて、やめた。
そして、
「さっさと忘れたい」
同時に同じ言葉を発した。
「真似しないでよ」
「お前こそ」
アリスはなんだかバカらしくなって、ため息をもらす。
「変なところで気が合うのね、あたしたち」
「たまたまだろ」
ウサギもため息をつき、天井に視線を向けた。