アリスとウサギ

 当然ながら反対する者はいなかった。

 女子三人は期待に胸を弾ませる。

 直人がポケットから携帯を取り出し、少しだけ操作して耳に当てた。

「空いてるかどうか、確認してみるから」

 さすが営業。

 行く前に確認をするとは段取りがよい。

 アリスはそんなところに大人っぽさを感じた。

「ちょうど空いたって。テーブル席取っといてもらったから」

 直人の号令で一同は動き出す。

 分かれ道左。

 ネオン街の方へ。



 居酒屋通りとネオン通りでは、客層が違うようだ。

 前者は若い集団の割合が高いが、後者はギャーギャー騒ぐ若者なんて見あたらない。

 ドレスを着て髪をアップにしているホステスがビルの入り口にちらほら立っていて、華やかさのためかやけに目を引く。

 そして、彼女たちより多いのが、スーツを着崩した若い男性たち。

「キャバクラいかがですか? かわいい子、今空いてますよ」

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