蒼天ノ神
〜颯斗Side〜



暗い暗い暗闇に

何も出来ない自分がただただ、落ちていく。



この無力感、昔にも味わったことがある気がする。



……いつだった……?

思い出せない





更に一層深い闇に呑まれた時だった。


「おかえり」


俺と同じ声が聞こえた。
身体に力が入らず怠い状態ではあったが何とか瞼を開ける。

そんな俺の前には予想通り『俺』がいた。


「雹にやられちゃったんだね。」


穏やかな表情で言う『俺』にどうしてこんな世界に来てしまったのか、を聞きたいのだが
どうやっても、声が出なかった。


俺のそんな様子を見て、あぁ、と納得した『俺』は

「なるほど、雹の奴俺を殺す気か?」

困ったように笑った。



「今は、君をなんとか助けてあげられる。」


「ただ、その後は君が本当の記憶を取り戻して。そうすれば…俺は君の"一部"に戻れる。」


真面目な顔をして俺にそう言うと少し哀しそうな顔で、
どうかその時は自分を見失わないで…
と言い残して『俺』は淡い光になり、闇に消えていった。





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