蒼天ノ神

眠っているのか蒼ちゃんは龍にもたれ掛かった体勢から動く気配がない。


榎歌「雹ちゃん…あれは蒼ちゃんだよね……?」


確認をしようと話し掛けるも返事が返ってこない。
見ると雹ちゃんは固まってた。


榎歌「雹ちゃん!!」


ぐっと掴んでいた袖を引っ張りながら名を叫ぶと
雹ちゃんはハッと我にかえった。


雹「悪い……予想外過ぎて理解できなかった。」


榎歌「気持ちは分かるよ、蒼ちゃん生きてるのかな?」


申し訳なさそうに言う雹ちゃんに、気になったことを聞いてみる。



雹「いや…生きてないんじゃないか?」

「勝手に殺さないでくれないかい?」


雹ちゃんの言葉を即座に打ち消した声


この声は…蒼ちゃんの声?


龍の方を見ても蒼ちゃんは先程と全く変わらずの状態

だけど、


空耳


とは思えない。



ふと龍と目が合う。

まさかこの龍が……?


「ふふっ顔に出てるよ、榎歌。」


その声が聞こえたと同時に目の前の龍の姿が朧(オボロ)げになり、次第に人の形の様になっていく。

その人の形がしっかりしてくると分かる。



蒼ちゃんだ



でも、あれ?
蒼ちゃんが二人……?





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