オサナナジミ
『ごめん。まだわかんない』
「そっか。聞き方を変えるけど、俺のこと恋愛対象として見れる?」
『それも、なんとも言えない』
「俺待ってるから」
即答だった
さっきから胸がドキドキしっぱなし
『あのさ、アタシのどこがいいの?子供っぽくて、ちっちゃくて辰也クンとは全然釣りあわないのに』
一生懸命話したつもりだった
でもめちゃくちゃなことを言ったと思う
「そこがいいところだと思ってる。ちゃんと自分の個性を受け入れてる未穂が凄いって思うよ。大人っぽくしてるのもね」
こんなこと言われるの初めてだよ
このとき、アタシの中で何かが変わった
芽生えた何かが花を咲かせた
綺麗な一輪の花を
『辰也クン・・アタシでいいのかな?』
「未穂チャンがいいんだよ」
『よろしくお願いします』
「ありがとう」
優しい顔で笑っている
照れくさくなって視線を反らした
でもなんか幸せで
なんか嬉しくて