恋せよ乙女
「…ちょっと、どこに行くの?」
「見てわからない?資材置場にコレを置きに行くのよ。」
不審げに尋ねられた問いに、半身だけ後ろを向き、手にしていた箱を掲げて見せる。コレだけを見て資材置場に行くのを推測しろだなんて、それこそ無理な話だとは思うけれど。
「そう……」
鈴木さんが小さく頷いたのを見て、あたしは資材置場へ向かう足を早めた。
それにしてもあたし、相当タイミング悪いな。何も今、こんな時にこんな場所で、鈴木さんに会わなくたっていいのに。
煮え切らない思いに悶々としていると、いつの間にか目的の場所に着いていて。ほとんどの生徒が校内で作業をしているからか、校舎裏は普段と比べやけに閑散としている。
人気も無いのに加え、日当たりもあまり良くないせいか、夏だというのに肌寒い風が通り抜けた。