恋せよ乙女

寒さからなのか、不安からなのかはさだかではないけれど、握りしめた拳が震える。

どうして、こんなことまでされなきゃいけないの?

そう考える度に虚しくて、泣きそうで。涙が流れないように、震える拳を胸元でさらに強く握りしめた。

そして大きく深く、呼吸を整えるように深呼吸をする。3回程それを繰り返した頃、ようやく頭の混乱が落ち着いてきて。さっきまでとは対照的に冷静に働く頭に、少しだけ安堵した。

だから改めて考えてみた、今のあたしを取り巻く状況。
まさか、ここまでされるとは思っていなかったけれど、現にあたしは今、こんな所に軟禁されている。

どうにかして助けを呼ぼうとブレザーのポケットを探って見ても、生憎携帯は見つからなくて。カバンに入れたままだったことを思い出し、小さく舌打ちした。
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