恋せよ乙女
「ちょ、何?」
いきなり現実に引き戻されたあたしは、声の主である世奈に訝しげな視線を送る。
そんなあたしの様子に構うことなく、若干興奮した様子で世奈があたしに詰め寄って来た。
「いやいや紫音。あんた、知らないの?」
「だから何を。」
唐突に“知らないの?”って問われても。
さっぱり何のことか、全くわからないんだけれど。
未だ首を傾げるあたしに、世奈は呆れたように盛大なため息をついた。
「はぁ……。ココのケーキ、あんたの食べたその美味しいソレね、超人気らしくて、一ヶ月前の販売開始以降、予約ナシじゃ絶対食べられないんだよ?」