恋せよ乙女

自分自身を嫌悪するにつれ、言葉にできない想いや疑問も、心の中で膨らんでいく。そんなあたしの葛藤を知ってか知らずか、会長は言葉を続けた。


「おまけに、時と場所を考えずに抱きついてきたり。体調がスゴク悪いくせに、無理して学校来てみたりさ。」


―――ズキン、

会長が発した言葉に、再び鋭く頭が痛んだ。


“風邪引いてるなら、おとなしく家で寝てなよ。”

“だってー、どうしても氷室さんに会いたかったんですー。氷室さんの顔を一目見てー、そしたらすぐに帰る予定だったんですー。”


刹那、不意によぎった会話の断片が当時の記憶を鮮明にしていく。
あたしと話してるのは、間違いなく氷室会長。脳裏にはその時の会長の、呆れたような表情が浮かんでは消えた。

…――あぁ、そういえばあたし、その日学校前で倒れたんだったっけ……?

そんな断片的な記憶が、少しずつよみがえり始めた。
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