恋せよ乙女
でも今さらだけど、悩むより何より、話されている女の子はやっぱりあたしのこと?
あまりにも当てはまることや、思い出すきっかけになり得る事象が多すぎて、段々そうとしか思えなくなってきたけれど。
不確定で曖昧な事柄の中、組み立てられていくあたしの失った記憶は、ゆっくりと、でも確実に元に戻りつつある、そんな気がしないでもない。
だからとりあえずそのまま、痛みを堪えて会長の言葉に耳を傾けた。
「とにかく、無茶苦茶で。放って置けなくて。気になって仕方が無いんだ。いつの間にかその子のことを目が追い掛けてて、近くに居ないと寂しいなって思うようにもなった。」
「……寂しい?」
「そう。寂しいんだ。何だか物足りないような、日常の一部が欠けてしまったような、そんな感じかな。」
会長が話し続ける最中、思わず口を挟んでしまったあたしに、会長は切なげな表情を浮かべる。