‡キミ想い‡
ちなみに私達の役は、お客さんが自分の前の道を通ったら袋越しから手を出す、というものだ。
先生曰く、「手ニョロニョロゾーン」。
「1ペア目来たぜ」
隣にいた男子2人が、何やらソワソワしている。
と思った瞬間……。
「ちょっ…!!」
男子2人のうち1人が立ち上がり、どうやらお客さんの顔を見ているようだ。
ここは机の上。
段ボールなど、立ち上がってしまえば簡単に外の様子が伺える。
「あいつ可愛くね??」
………は!!!?
今、なんと……!??
「女探しかよ」
ボソッと真央里が呟いた。
……あぁ、成る程。
いるよね、こういう男子。
やれやれというように、まぁうちらは気にせずに自分達の仕事をした。