‡キミ想い‡
「あ、ねぇ。なんかある」
ヨロヨロしながら裕の後ろを歩いていた私は、目の前にあったトンネルらしきものが目に入った。
「わぁ…。なんか、綺麗…」
なんだろ、ここ…??
入れるのかな…。
足を踏み入れると、中は青や緑や黄の光などで照らされていた。
すると、少し向こうの方で人が並んでいるのを見つけた。
駆け寄ってみると、なにやら券を買うとまだ奥に入っていけるらしい。
「もしかして…、このビルの頂上に行けるの??」
「外の景色が見れるとこみたい。……行く??」
「いいの??私お金…」
「払ったげるよ」
そう言って笑顔になった裕を見て、さっきまで半泣きだった私はパァッと顔を明るくした。
「ありがとう!!」
42階から見下ろす景色……。
凄く綺麗なんだろうなぁ。
ドキドキとワクワクを抑えながら、私達は最上階へと向かった。