【短】キミ、幽霊ですけど!?
断ろう、そう思うんだけど、なんかマツ君を見てると、何も言えなくなる
「はいはい。ストーップ!」
後ろから、声が聞こえた
振り向かなくても、そこに誰がいるかあたしにはわかる
その人は、あたしとマツ君の間に立った
「おい、マツ! 俺がいないからって、人の彼女に手ぇだすんじゃねーよ!」
マツ君に、聞こえないとわかっていながら、偉そうに言うのは……
ナツ…!
今度はあたしのほうを向いて
「ゆり、もちろん断るよね?」
そう言って、にっこりと笑う
「…マツ君、ごめんなさい! あたし、まだナツのことが大好きだから、マツ君とは付き合えません」
「そうか、わかった。ありがとう」
マツ君を残して、あたしとナツは屋上を出た