アナタしか欲しくない
『ミイ、貴志さん来てるよ』




「……会いたくないから帰ってもらって」





『本当にいいの?もう1週間通い続けてるよ?何があったか知らないけどいい加減会って話した方が…』
「マイ姉っ。いいから帰ってって言ってきてよ!」




叫ぶ私をみて肩をすくめながら『はいはい』とマイ姉は部屋から出ていった。






タカちゃんから、ミイは妹と言われてから、もう1週間が経っていた。





その1週間、平日は夜に、土日は昼過ぎにタカちゃんはミイの家にやって来た。




今まではミイがずっと押しかけていたから、タカちゃんがミイを訪ねてくるなんて初めてのことだった。




けれどミイはタカちゃんと会う気になれなかった。




そんなことは、この6年間1度もなかった事だ。



タカちゃんに1週間も会えないなんて昔のミイだったら耐えきれなかったと思う。




でも今は、それ以上にタカちゃんに会って話すのが怖かった。





タカちゃんに、


またゴメンって、



言われるんだろうって思うと、




会えない辛さの方がマシだと思った。





< 13 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop